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カンボジアの結婚式の伝統

親が決めた相手と結婚することも多いカンボジア

カンボジアは都市部と農村部で、伝統的な習慣についての見方が変わってきています。
都市部では先進国の分野や習慣、考え方が浸透してきていますので、結婚についての見方も西洋的になってきました。
しかし、農村部では昔ながらの伝統を守ることが多い傾向にあります。

結婚相手の選択についてもその傾向が見られ、恋愛結婚で自分が好きになった人を相手に選ぶというカップルが都市部では増えています。
しかし、農村部では親が決めた相手と結婚することが伝統的に決まっているケースもあります。

結納の習慣があり、新郎側が新婦側に結納金を納めるのが普通です。
カンボジアの基準から見ると高めの結納金となっていますが、結婚式の準備のために使わることが多いので、必要経費のような感じでもあります。

伝統的な儀式に従って進められる結婚式

結婚式では昔から続く伝統的な儀式にのっとって結婚式が行われます。
自宅に祈祷師をよんで宗教的な儀式を行い、そこで結婚が成立するのです。

こうした儀式が終了すると、家族や友人、村の人たちなどと一緒に食事とお酒を楽しみます。
伝統的なクメール料理とビールというケースが多く、普段の食事と比べるとかなり豪華でお金のかかった料理を提供するのが礼儀です。
家族や親しい友人が集まるのは当然として、ほとんど新郎新婦のことを知らないような人も集まって、オープンな雰囲気で食事が提供されることが多くなっています。

披露宴の招待はたいてい招待状が配られますが、その際に一緒に封筒が同封されてきます。
この封筒に出席者はご祝儀を現金の形で入れて、披露宴の際に渡すというのがカンボジアでの結婚式の習慣です。
現地では20ドル程度の現金を渡すことが多く、現地の貨幣価値を考えるとかなり高額のご祝儀と言えるでしょう。

新郎は自分の実家に帰ることができない

結婚式が終わると、住んでいる村によっては新郎新婦を先頭に村中を歩くという習慣があります。
こうすることで結婚をみんなに披露するのです。

その後、新郎が新婦の家に入るという一種の儀式を行います。
基本的に新郎が新婦側の家に入るというのがカンボジアの伝統的な習慣で、日本で言うとすべての新郎が婿入りするようなものです。
そして、伝統的な考えによると、新郎は結婚したら自分の実家に戻って寝泊まりしてはいけない事になっています。

そのため、新郎は自分の親と一緒に住むことが出来なくなりますので、結婚式が終わった後に名残を惜しんで親と泣きながら別れる、という光景も珍しくありません。
日本ではあまり考えられない様子ですが、カンボジアではかなりの割合でこうした習慣が守られています。