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モロッコの結婚式の伝統

イスラム教の伝統に従って結婚式が行われるモロッコ

結婚式はその地域の文化や習慣、特に宗教と深く結びついているものです。
モロッコはイスラム教が奉じられている国ですので、ほとんどのケースでイスラム教の伝統的な習慣に従って結婚式が行われます。
結婚式の際の衣装も、新郎は伝統衣装を身にまとい、招待客の多くも伝統衣装を身に着けることが多い傾向です。

地域によって若干の違いがありますが、結婚式とそれに関係するイベントはとても長いものとなり、たいがい3日間程度続きます。
一日目は新婦の入浴の儀式があって、二日目にヘナの儀式です。
そして、三日目に多くの人が集まる結婚式と披露宴があります。

この披露宴も夜の9時くらいから始まり、深夜にかけてお祝いがなされ、明け方まで続くというスタイルも珍しくありません。
結婚式は人生の中でも特に重要なものですから、このように多くの人と長い時間をかけて行われるのです。

日本の結婚式との違いや似ている点

モロッコの結婚の習慣は、日本のものと似ているところもあります。
その一つが結納の習慣があるということです。

新郎の家族が新婦の家族の家を訪れて、結婚についての知らせをするとともに、結納品と結納金を納めます。
この結納の品々を受け取ることで、新婦の家族が結婚を許したということになり、晴れて結婚ができることになるのです。

モロッコでは結婚式に関して、日本とは違う考え方をしているところもあります。
たとえば、結婚式に来る人々は新郎新婦を祝福するという目的のために来るという考えがありますので、新郎新婦から交通費などの金銭が渡されることも、逆にお祝いのお金をゲストが贈ることもありません。
さらに、引き出物を贈る習慣がありませんので、こうした点では日本より楽だと言えるでしょう。

地方によっては村総出で結婚式が行われることもある

モロッコでは、結婚式に出席する総勢はだいたい50人から100人というところです。
しかし、小さな地方の村などでは、村総出で結婚式が執り行われることもあって、その場合は相当大きなものとなります。

特に席次なども決められているわけではないので、自由でとても家族的な雰囲気で式がなされていくのが魅力です。
家族や友人が本当に新郎新婦を心から祝福するという雰囲気が伝わってきて、とても喜ばしい時間となります。
家族が多いということもあって、より近い距離でゲストが結婚式を楽しんでいることが見て取れるでしょう。

前述の通り、モロッコの披露宴は明け方まで続くことが多いですが、締めくくりに新郎新婦が派手に飾り付けをした車に乗って、披露宴会場やその周囲を回って去っていくという形で式が終了します。
最初から最後までとてもエネルギッシュな式で、興奮に包まれた時間です。